
毎月の二つの申告
VATはPP.30、源泉税は支払先が個人ならPND.3、法人ならPND.53で、いずれも翌月15日が期限です。同じ支払データを見ていても問われることは違います。VATは「その仕入に控除の要件が揃っているか」、源泉税は「その支払は役務提供か賃借料か広告費か運送費か」。役務3%、賃借5%、広告2%、運送1%という区分を誤ると、追徴と延滞が後から発生します。
当事務所では両方を並べて突合し、仕入税額はあるのに源泉徴収していない支払、逆に徴収したのに証憑が見つからない支払を、提出前に必ず一件ずつ確認します。
源泉徴収票の管理が後々を左右する
徴収したら相手方に50 Tawi(源泉徴収証明書)を渡し、自社側にも控えを残す必要があります。発行を後回しにすると、取引先が年度末に控除できず再発行を求めてきた時点で、当時の支払明細を揃え直す作業が発生します。番号・支払日・税目・金額を連番台帳にしておけば、どの一件でも数分で原資料まで遡れます。
法人税は年二回の山がある
期中はPND.51で半期分の見込利益を申告し、期末にPND.50で確定します。見込みが実績を25%以上下回ると加算があるため、第5か月の時点で当期数値から通期を試算し、差が出やすい項目——為替の未実現損益、関連者間取引の価格、減価償却の耐用年数——を先に協議します。年末に税負担が一段跳ねてから慌てる、という展開を避けるためです。
日本の親会社へ報告が必要な場合は、円換算した税負担のサマリーも同時に用意します。
申告漏れが見つかったとき
ご依頼前の期間に漏れや誤りがある場合は、まず金額を確定させます。本税、月1.5%の延滞金、行政上の加算——それぞれの上限を含めて示し、自主的に修正するか通知を待つかを判断していただきます。自主修正のほうが加算は軽く収まるのが通例ですが、対象月数と金額次第で結論は変わるため、書面で意見を出したうえでお客様に選んでいただく形にしています。
確認可能な公的情報源
以下のリンクは、法令・申告規則を公表するタイの所管機関に直接つながります。
- 1. The Revenue Code
The governing text for income tax, VAT, specific business tax and stamp duty, together with the ministerial regulations and departmental instructions issued under it.
- 2. Revenue Department e-Filing system
The online filing and payment channel, including the extra days granted to electronic filers.
- 3. e-Tax Invoice and e-Receipt system
Rules for issuing, delivering and retaining electronic tax invoices, including digital signing.
タイの会計・税務に関するよくある質問
タイで法人を運営される日本企業向けに、記帳代行、VAT、社会保険、決算のポイントをまとめました。料金は取引量に応じた個別見積りです。コールセンターまたは LINE よりご相談ください。
タイ法人の毎月の申告義務は何ですか。
VAT登録事業者は原則として毎月PP.30を提出します。源泉所得税は給与ならPND.1、その他は受取人・所得の区分に応じてPND.3、PND.53、PND.54などを確認します。PP.はVATの様式で、PND.とは別です。社会保険は登録・加入状況と当月の賃金から申告・納付義務を確認します。すべての法人に同じ月次様式が必要とは限りません。
日本語でのやり取りは可能ですか。
希望する報告言語と連絡方法を担当者に伝え、対応可能な範囲を確認してください。日本本社向け資料はタイの法定帳簿・申告書と区別します。日本語の請求書や契約書がある場合も、取引の証拠や現地の記載要件が不足しないかを確認する必要があります。
設立直後で売上がない場合も申告は必要ですか。
タイの有限会社は、売上がなくても帳簿と年次決算の義務が原則として残ります。VAT登録済みなら売上のない月もPP.30を提出しますが、仕入VATや繰越額までゼロとは限りません。源泉税などの月次申告は支払内容から確認します。年次のDBD提出とPND.50は別の期限で管理し、遅延の負担も税額や違反内容ごとに確認します。
駐在員の給与計算と源泉徴収はどう扱いますか。
国内外の支給額、タイでの勤務、居住状況、雇用契約を整理して税務上の扱いを確認します。海外から支払われる給与が一律に非課税になるわけではありません。給与計算、源泉税、社会保険の対象と実際の支払額を分け、委託範囲と申告担当を契約前に確認してください。
監査は毎年必要ですか。
タイの有限会社の年次財務諸表は原則として公認会計士の監査対象です。帳簿作成、独立した監査、総会承認、DBDへの提出、PND.50の法人税申告は別の手続きです。他の法人形態の監査要件を有限会社と同一視せず、監査人の選任と業務範囲を確認してください。
依頼の流れと必要資料を教えてください。
登記書類、VAT 登録の有無、直近の帳簿または銀行取引明細、従業員数をご共有ください。作業量を確認したうえで個別にお見積りします。定額の料金表は掲示していません。
業務開始前に確認する成果物と地域窓口
記帳、申告、年度決算、本社向け報告は、必要範囲を分けて依頼できます。日本語資料の対応可否、報告頻度、申告控えの受渡し、原本の保管と回収方法は、契約前に担当者へ確認してください。以下は業務範囲を相談する際の確認項目であり、すべての契約に含まれる成果物ではありません。
- 月次残高と日本語説明の対応範囲
- 実際に提出した申告書と受領控え
- 不足証憑の確認と追加資料の期限
- 決算・監査調整の担当と日程
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