
支払いの性質を先に切り分ける
- 相手が個人か法人か。個人は PND.3、法人は PND.53 と申告書自体が分かれます。
- 役務提供か賃借料か運送料か広告費か専門家報酬か。区分ごとに扱いが変わります。
- 国外送金かどうか。租税条約の適用可否を送金前に確認しておく必要があります。
- 前渡金や保証金が「支払い」に当たるかどうかの線引き。
日系企業でよく起きる三つのつまずき
一つ目は証明書の遅延です。取引先は証明書がないと自社の税額控除ができず、入金保留や再発行依頼という形で必ず戻ってきます。支払時に発行し、控えを番号順に残すのが基本です。
二つ目は請求書日付での計上です。前月請求・当月支払の案件を請求書基準で申告すると期がずれ、修正申告と延滞金が同時に発生します。
三つ目は立替実費と役務報酬を一枚の請求書にまとめてしまうことです。立替分は相手の収益ではないため、後から分けるほうが最初に分けるより手間がかかります。
毎月の実務
支払一覧を一件ずつ性質と料率で突き合わせ、証明書の発行番号台帳を作り、期限内に PND.3 と PND.53 を提出し、発行済み証明書と銀行の送金記録を照合します。この台帳が決算時の控除主張の根拠そのものになり、後から資料を探し回る必要がなくなります。
対応範囲の明示
料率は取引の実態と契約内容で決まります。判断根拠は書面で残しますが、料率を下げる目的で取引の記述を変えることはしません。当局の見解が分かれ得る論点は、想定される指摘と二つの処理方法の違いを事前に説明し、判断は経営側に委ねます。
確認可能な公的情報源
以下のリンクは、法令・申告規則を公表するタイの所管機関に直接つながります。
- 1. The Revenue Code
The governing text for income tax, VAT, specific business tax and stamp duty, together with the ministerial regulations and departmental instructions issued under it.
- 2. Revenue Department e-Filing system
The online filing and payment channel, including the extra days granted to electronic filers.
タイの会計・税務に関するよくある質問
タイで法人を運営される日本企業向けに、記帳代行、VAT、社会保険、決算のポイントをまとめました。料金は取引量に応じた個別見積りです。コールセンターまたは LINE よりご相談ください。
タイ法人の毎月の申告義務は何ですか。
VAT登録事業者は原則として毎月PP.30を提出します。源泉所得税は給与ならPND.1、その他は受取人・所得の区分に応じてPND.3、PND.53、PND.54などを確認します。PP.はVATの様式で、PND.とは別です。社会保険は登録・加入状況と当月の賃金から申告・納付義務を確認します。すべての法人に同じ月次様式が必要とは限りません。
日本語でのやり取りは可能ですか。
希望する報告言語と連絡方法を担当者に伝え、対応可能な範囲を確認してください。日本本社向け資料はタイの法定帳簿・申告書と区別します。日本語の請求書や契約書がある場合も、取引の証拠や現地の記載要件が不足しないかを確認する必要があります。
設立直後で売上がない場合も申告は必要ですか。
タイの有限会社は、売上がなくても帳簿と年次決算の義務が原則として残ります。VAT登録済みなら売上のない月もPP.30を提出しますが、仕入VATや繰越額までゼロとは限りません。源泉税などの月次申告は支払内容から確認します。年次のDBD提出とPND.50は別の期限で管理し、遅延の負担も税額や違反内容ごとに確認します。
駐在員の給与計算と源泉徴収はどう扱いますか。
国内外の支給額、タイでの勤務、居住状況、雇用契約を整理して税務上の扱いを確認します。海外から支払われる給与が一律に非課税になるわけではありません。給与計算、源泉税、社会保険の対象と実際の支払額を分け、委託範囲と申告担当を契約前に確認してください。
監査は毎年必要ですか。
タイの有限会社の年次財務諸表は原則として公認会計士の監査対象です。帳簿作成、独立した監査、総会承認、DBDへの提出、PND.50の法人税申告は別の手続きです。他の法人形態の監査要件を有限会社と同一視せず、監査人の選任と業務範囲を確認してください。
依頼の流れと必要資料を教えてください。
登記書類、VAT 登録の有無、直近の帳簿または銀行取引明細、従業員数をご共有ください。作業量を確認したうえで個別にお見積りします。定額の料金表は掲示していません。
業務開始前に確認する成果物と地域窓口
記帳、申告、年度決算、本社向け報告は、必要範囲を分けて依頼できます。日本語資料の対応可否、報告頻度、申告控えの受渡し、原本の保管と回収方法は、契約前に担当者へ確認してください。以下は業務範囲を相談する際の確認項目であり、すべての契約に含まれる成果物ではありません。
- 月次残高と日本語説明の対応範囲
- 実際に提出した申告書と受領控え
- 不足証憑の確認と追加資料の期限
- 決算・監査調整の担当と日程
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